学校での「指示」を聞く場面とは?
学校では、先生の指示を聞き取り、行動や作業に取りかかる場面がたくさんあります。指示が聞き取れないと、みんなと一斉に動くことができなく、遅れがちになります。気づかないうちに指示を聞き逃してしまう場面も起こります。授業でも、先生の質問に答えたり、単元の内容を理解することがゆっくりで授業についていけなくなる子もいます。「聞く」スキルは学校場面では大切なスキルの一つです。
口頭指示を理解するために必要な4つのスキルとは?
①指示に含まれる単語を知っている「語彙力」
②文を理解するための「文法力」
③話している人に注意を向けて最後まで聞きとる「注意力」
④聞いた内容を覚えておいて行動に移すための「聴覚ワーキングメモリー」
これらのステップを経て、初めて指示がわかって行動できます。そのどこかに苦手さがあると口頭指示の理解が苦手である、指示が通りにくいということが起きます。子どもの中には、聞き取ることが苦手でも周りの様子を見て合わせて行動できる子もいます。それができない場合には個別のトレーニングや配慮が必要になってきます。どこに苦手さがあるのかを判断するためには、子どもの様子の観察、言語・コミュニケーション発達スキル(LCSA)を利用すると苦手さのポイントがグラフで結果として算出されるので、視覚的にも把握しやすくなります。
支援と配慮の方法
まずはどこのつまずきが原因で苦手さが起こっているのかを把握することが大切です。その子のつまずきに合わせたトレーニングが必要となります。また、大人側ができる配慮としては、「できるだけわかりやすい言葉を使う」「一文を短くする」「話す前に生徒の注意を向けさせる」ことが良いです。また「授業の流れを短い文や絵で提示」することで、視覚でも理解できるようにする、作業途中に自分で何の作業をしていたかを確認できるようにもなります。その場合にも、分からないときはここを見て確認することをあらかじめ共有できていることが必要です。個別の支援と大人の作る環境からの配慮で子どもの苦手さを支えることが「指示を聞くこと」が苦手な子どもには良い方法の一つです。