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被災した子どものための「優しい空間」作りとは?

災害などの緊急事態では、家庭・学校・遊び場・地域などの子どもを取り巻く環境や生活習慣が大きく変化します。それに伴って、子どもの心身の健康や発達にも様々な影響があるとされています。

子どもに優しい空間づくり


子どもたちにとって、安全で安心できる空間作りをいち早く行うことが、子どもの心の健康に大切であると、国連の期間であるユニセフ(UNICEF )でも提唱されています。避難した先で子どもたちが安心して、そして安全に過ごすことができる場が「子どもにやさしい空間(Child Friendly Space ) です。緊急時は、保護者や周囲の大人は、通常時ほど子どもに注意を向けるのが難しくなります。地域や周りの大人たちで、子どもが「遊びや学び」をできる環境を整え、日常生活と心の安定を取り戻すようにしたあげる働きが必要です。ここでは、日本ユニセフ協会の紹介しているこどもに優しい空間づくりについてご紹介します。

子どものレジリエンス(回復力)をあげる空間


子どもは仲間と共に遊び、活動する中で心の平穏を取り戻していきます。また、子どもが本来持っている心の自己治癒力であるレジリエンス(回復力)を強化することで、マイナスの影響を最小限にとどめることもできます。避難所などにもできるだけ早く[子どもに優しい空間」を設置することが良いとされています。多くのこどもが利用する場所にするためには、地域の子どものアセスメントとニーズの把握、公的・民間の団体との協力、地域やボランティアによる運営などの、多くの人の協力も必要となる包括的支援となります。

子どもに優しい空間の6つのルール


1. 子どもにとって安心・安全な環境であること

2. 子どもを受け入れ、支える環境であること

3. 地域の特性や文化、体制や対応力に基づいていること

4. みんなが参加し、ともに作り上げていくこと

5.様々な領域の活動や支援を提供すること

6.誰にでも開かれていること

 

空間には、子どもが遊べるおもちゃ、絵を書いたり工作できるスペース、身体を動かせるスペースがあると良いです。提供できるものには、限りがある場合もあるかもしれません。それでも、ここに来れば安心して自由に過ごせる、大人が話を聞いてくれて楽しく時間を過ごせるということが子どもにとって優しい空間となります。


 

子どもに優しい空間には大規模なものから、小規模なものまで様々なケースが考えられます。また、緊急時だけの設置ではなかう、その後も開かれた場所として機能している事例もあります。大切なことは、子どもの持っているレジリエンスを「遊び」という表現を通して促し、安全な環境下での人との関わりで、「安心」を再構築するです。